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急な胃の痛みとアニサキス症

2023年03月05日

皆さま、こんにちは
3月にはいって少しずつ暖かくなり春らしさが感じられる頃合いとなりました。
開業依頼、急な腹痛でのご相談もふえてきましたので、今回はアニサキスの話題です。
「アニサキス」とは、海洋生物に寄生する寄生虫のことで、これらが寄生した生鮮魚介類を生で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に侵入することで強い腹痛や吐き気、蕁麻疹などのアレルギー症状を引き起こします。サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に多く寄生し、加熱または冷凍により死滅しますが、下処理のない新鮮な刺身やお寿司などを食べると発症することが多いです。食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じますので、食べたものに思いあたるものがあって受診される患者さまがほとんどです。まずはしっかりと問診を行って、症状の原因を選別することが重要となります。胃アニサキス症が疑われる場合には、迅速に胃カメラ検査を実施し、アニサキス虫体が確認できた場合はその場で摘出を行うと、速やかに症状が改善します。万が一摘出できなかった場合でも、アニサキスは1週間程度で体内で死滅しますが、まれに消化管穿孔や腹膜炎になることがありますので、慎重に経過をみながら対症療法での治療が必要となります。
当院では、胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡診断、超音波検査での画像診断により、さまざまなおなかの症状に対して適切に対応できるように注力しております。最後に食事をとられてから8時間程度経過していれば、当日中に胃カメラでの迅速診断も可能ですので、急なおなかの症状でお困りの場合はお気軽に御相談ください。

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