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健康トピックス

ワクチンの効果について

2023年03月19日

皆さま、こんにちは
今回は、新型コロナワクチンの公費接種が始まって以降、私たちの生活により身近な存在となったワクチンの話題についてです。
ワクチンは、細菌やウイルスなどの病原体によって引き起こされる、さまざまな感染症への対策として現在使用されています。”ワクチンて効くんですか?”と質問される方もおられますので、まずはワクチンが効果を発揮するメカニズムからおはなしします。
ヒトのからだには、一度病原体が入ってくると、その病原体を覚えて再び体の中に入ってきても病気にならないようにするしくみである”免疫”があります。ワクチンは、病原体の毒性を弱めたり無毒化にしたもの接種することにより、通常の感染(自然感染)のように実際にその病気を発症させるわけではなく、体の中に免疫のみを誘導することにより病原体と戦える準備をつくるのに役立ちます。その効果は、感染症の発症を予防したり、発症後の重症化を少なくして、重症の最たるものである死亡を少なくするなどの効果が期待されます。
乳幼児期は病気に対する抵抗力が十分に発達しておらず、また高齢になると記憶していた免疫力が徐々に低下し、病原体の種類によっては非常に重い症状や後遺症を引き起こすものもあります。健康だとなかなか実感するのは難しいワクチンの効果ですが、感染症から健康と命を守る方法として、最も安全でかつ確実な手段であるといわれています。
当院では開院以来、地域の皆さまの健康増進の一環として、新型コロナワクチン、インフルエンザワクチンなどの接種を提供してまいりました。最近では、帯状疱疹ワクチン肺炎球菌ワクチン、さらには4月より公費接種が開始される9価子宮頸がんワクチン(シルガード9)などの問い合わせが増えており、皆さまに安心してワクチン接種を受けていただけるシステムづくりに励んでおります。ワクチンの種類に応じて接種時期や効果が異なりますので、ご相談などございましたら、いつでもお気軽にご連絡お待ちしております。

急な胃の痛みとアニサキス症

2023年03月05日

皆さま、こんにちは
3月にはいって少しずつ暖かくなり春らしさが感じられる頃合いとなりました。
開業依頼、急な腹痛でのご相談もふえてきましたので、今回はアニサキスの話題です。
「アニサキス」とは、海洋生物に寄生する寄生虫のことで、これらが寄生した生鮮魚介類を生で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に侵入することで強い腹痛や吐き気、蕁麻疹などのアレルギー症状を引き起こします。サバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類に多く寄生し、加熱または冷凍により死滅しますが、下処理のない新鮮な刺身やお寿司などを食べると発症することが多いです。食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じますので、食べたものに思いあたるものがあって受診される患者さまがほとんどです。まずはしっかりと問診を行って、症状の原因を選別することが重要となります。胃アニサキス症が疑われる場合には、迅速に胃カメラ検査を実施し、アニサキス虫体が確認できた場合はその場で摘出を行うと、速やかに症状が改善します。万が一摘出できなかった場合でも、アニサキスは1週間程度で体内で死滅しますが、まれに消化管穿孔や腹膜炎になることがありますので、慎重に経過をみながら対症療法での治療が必要となります。
当院では、胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡診断、超音波検査での画像診断により、さまざまなおなかの症状に対して適切に対応できるように注力しております。最後に食事をとられてから8時間程度経過していれば、当日中に胃カメラでの迅速診断も可能ですので、急なおなかの症状でお困りの場合はお気軽に御相談ください。

動脈硬化と頸動脈エコー

2023年02月19日

皆さま、こんにちは
今回は、動脈硬化の話題です。2月にはいり、4月からの入職に向けて健康診断を受けられ方がふえてきましたが、検診結果のご相談で来院される方も多くなっております。なかでも血糖値、コレステロールや血圧の上昇を指摘されての相談が増えている印象です。これらを放置した場合の一番の問題は、動脈の壁が硬くなる動脈硬化です。
本来、動脈の壁は弾力性がありますが、年齢や生活習慣が原因で血管の内側にコレステロールや線維など、プラークがたまると血管が狭くなったり、弾力がなくなったりします。やがて血栓ができて血管につまってしまうと、心筋梗塞や脳梗塞の発症につながります。高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などがあると、血管への負担が慢性的にふえて、本来の加齢に伴う変化以上に動脈硬化をすすめてしまいます。
動脈硬化の程度を調べる検査はいくつかありますが、最も簡単に評価できる方法として、頸動脈(けいどうみゃく)エコーあります。頸動脈は脳に血液を送る大切な血管で、エコーで血管壁の厚さと血管の内側の状態(細くなっていないか)を画像観察することで、その場で迅速に判断することができます。腹部のエコー検査と異なり、飲食の制限などが不要で、しっかりと首がでる検査しやすい格好で来ていただくだけで問題ありません。
年齢問わず、身体に悪い生活を送っている場合や健診結果が気になる方は、大きな病気を発症する前に一度頸動脈エコー検査を受けてみませんか。検査をきっかけに、生活習慣の見直しや健康意識の改善につながるかもしれません。

長びく咳でお困りの方

2023年02月05日

皆さま、こんにちは
先日は全国的な大寒波で、転倒事故が多く見受けられました。
当院の前にも大雪が積もりましたが、スタッフ一丸で除雪作業を頑張り、幸いにも大きな事故もなく過ごせました。あらためて協力いただいた皆さまに感謝です。
さて、今回は咳の話題です。新型コロナおよびインフルエンザ感染症の流行に伴い、長びく咳で来院される患者さまが増えてきております。多くは感冒後咳嗽と呼ばれる感染の後遺症によるものですが、なかにはアレルギー体質や喘息の前駆症状で咳が続いていたり、肺に重大な病気が併存していたりすることがあります。さらには感染後の影響で喉の知覚が過敏になっていたり、胃酸の逆流が症状の誘因になっているケースも少なからず存在します。感染から2週間以上にわたって咳が残存する場合は、聴診での診察にくわえて、アレルギーチェックの血液検査、胸のレントゲン検査、場合によっては胃カメラ検査などで原因をつきとめていくことが必要になることがあります。それぞれ咳が続く原因によって治療法が変わりますので、長びく咳症状にお悩みの場合はぜひご相談ください。

肥満と運動習慣

2023年01月15日

皆さま、こんにちは
本日は、毎年恒例の全国都道府県対抗女子駅伝です。市内の主要道路を多くの女性ランナーが駆け抜けるたすきリレーで、今年で41回目の大会となります。
クリニック前の丸太町通りがちょうど7区→8区の中継地となっており、終盤の大きな盛り上がりとなるスポットで、大変楽しみにしております。
そこで今回は、運動に関わる話題です。肥満改善の相談で受診される方には、必ずお話しさせていただいておりますが、肥満の2大原因は、食べすぎと運動不足です。定期的な運動習慣をもつのが難しいかたも多いですが、過剰なカロリー摂取で溜め込んだ内臓脂肪を消費するのには、運動は欠かせない要素となります。運動の種類には有酸素運動とレジスタンス運動の2種類がありますが、脂肪の燃焼には有酸素運動が有効で、食後から少し時間をおいた小腹が空いた時間帯に少し息が上がる程度の運動を10分以上(できれば30分程度)継続できると効果が期待できます。ウォーキングや軽めのジョギング、プールでの運動、エアロバイクなどが適したこれらに適した運動です。現代人が慢性的な運動不足になっている最大の原因は、交通手段の利便性が向上し、歩く量が減ったことが一因とされています。コロナ禍で在宅勤務が増えたことにより、この傾向がさらに顕著になっている印象です。駅伝観戦であがったモチベーションを忘れないうちに、手軽にできるウォーキングなどから始めてみませんか。

胸やけと胃もたれの症状

2022年12月18日

皆さま、こんにちは
今年の冬も一段と寒さが厳しい時期になってきましたが、体調おかわりなくお過ごしでしょうか。
今回は、胸やけと胃もたれの話題です。これらの症状でのご相談は病院勤務の時代から多かったのですが、クリニックでの外来では益々増えております。原因としては、逆流性食道炎,消化性潰瘍,癌などの器質的な異常をまず否定しなくてはいけないので、胃カメラ検査での確認が最初に必要になります。しかしながら検診や他院の胃カメラ検査で、すでに異常なしと診断されたものの、やっぱり症状がすぐれないとのことで当院を受診される方も多くおられます。
消化管に内視鏡でみてわかる異常がないにもかかわらず、これらの消化器症状が慢性的に存在する場合を、機能性消化管障害と呼び、症状や機能障害の部位に応じて、機能性ディスペプシア、機能性胸やけ、過敏性腸症候群などと診断されます。これらは食事内容、飲酒習慣、睡眠状態、ストレス状況などの様々な因子が誘因となって腸内細菌叢の異常、粘膜の免疫機構、内臓の知覚過敏、中枢神経系の調節異常など複雑なメカニズムを介して発生するため、複数の病型が合併することも多いです。時代の流れに伴いピロリ菌の感染者が減る一方で、生活習慣の多様化やストレス社会の中で、確実に増えている疾患であります。
症状の改善やコントロールがすんなりとはいかず、時間がかかる場合もあり、奥が深い領域であると実感しておりますが、患者さまの症状をしっかり確認しながら最適な薬剤の組み合わせを見つけていくのが最善と考えております。時間がかかる作業ではありますが、あきらめずに一緒に頑張りましょう。

肝機能の異常と本当はこわい脂肪肝

2022年12月04日

皆さま、こんにちは
クリニックも開院して1ケ月が過ぎ、多くの患者さまに来院いただきましてスタッフ一同大変やりがいを感じております。
ご来院の相談の中で、本日は私の専門分野である肝臓検査での機能異常についての話題です。
肝機能に異常をおこす原因は、B型肝炎、C型肝炎などの肝炎ウイルス、免疫異常の肝障害、薬の副作用、お酒の飲みすぎなど多岐にわたりますが、栄養状態の偏りによる脂肪肝の割合が近年増えております。肝臓に脂肪が過剰にたまった”脂肪肝”は、多くの場合で肥満が背景にあるため、健診などの結果を全体的に見わたすと診断が比較的容易ですが、一部では肥満のない脂肪肝(non-obese /lean NAFLD)が存在します。肥満の基準は満たさない脂肪肝としては、体重の中での内臓脂肪の割合が多い”かくれ肥満”、脂肪組織に脂肪を十分貯めることができない脂肪萎縮症などがあり、肥満を伴う脂肪肝よりも肝臓の線維化がすすでいたり、肝がんの発生などを含む全体の死亡率が高いなどの報告があります。肥満・非肥満にかかわらず進行する可能性のある脂肪肝は、早くみつけて適正な管理指導を行うことが大変重要です。当院では肝臓の病態をできるだけ正確にお伝えできるよう、肝臓の脂肪量やダメージの蓄積の程度(線維化)を正確に推定できる機能をもった超音波検査での評価を行っております。検診で指摘された肝機能異常は放置せず、いつでもお気軽にご相談ください。

早期発見のための大腸内視鏡検査

2022年11月20日

皆さん、こんにちは
開院から2週間が過ぎ、お腹の不快感や肝機能異常でクリニックへ相談に来られる患者さまが増えてまいりました。
当院では、現在の症状やこれまでの病歴などを細かくお聞きし、お腹の診察をしたうえで適切な検査を勧めております。
その中で、ひと月に何回も下痢をするとか、下痢と便秘を繰り返すなどの慢性的に便通異常がある方は、大腸の内視鏡検査(大腸カメラ)をお勧めしております。大腸カメラというと、特に女性の方は「痛い」「恥ずかしい」というイメージで受診をためらっている人が多いかもしれませんが、便通に異常をきたす問題が大腸にあるのかないのかは、内視鏡を使って中から観察するのが最も確実であり、そのためにも早めに検査を受けていただきたいと考えます。
以前は胃がんが多いといわれた日本人ですが、食の欧米化により最近は大腸がんが増えてきております。大腸がんの多くは、大腸ポリープから発生すると考えられ、大腸ポリープを切除して大腸をきれいな状態(クリーンコロン)にすることで大腸がんは予防できます。当院では、検査中に腺腫といわれる将来がんになる可能性のあるポリープを見つけた場合は、その場でできる限り切除させていただいております。他院で受けた際には、麻酔で寝ている間にポリープを切除されたため、本当に切除が必要だったかどうかわからなかったという患者さまのご意見を耳にしますが、当院では検査中の鎮静剤や鎮痛剤は、患者さまにあわせて必要最小限で調整し、丁寧でお身体に負担の少ない内視鏡の挿入・観察を心がけております。多くの患者さまに自身の腸の中をモニターで観察しながらポリープ切除を受けていただいておりますので、ご安心ください。日帰りで対応可能な手術ですので、健診で便潜血陽性になった方、トイレで紙に血が付くなどの気なる症状がある方もお気軽にご相談ください。

インフルエンザと新型コロナ同時流行の可能性

2022年11月06日

皆様、こんにちは。
クリニックは開院後、間もなく2週目をむかえます。
内覧会に来ていただいた方やおなかの症状でお悩みのかたなど、開院後より多くの方にご来院頂いておりますが、同時に発熱のご相談も増えてきております。今年の冬は、新型コロナ感染症第8波の到来にくわえ、インフルエンザの流行が懸念されております。クリニック発熱外来を来院された方の中にも、新型コロナ検査で陽性の方は散見されますが、まだインフルエンザの方はみられない状況です。
インフルエンザの流行が危惧される理由としては、規制緩和で国際的な人の往来が増えだしたさなか、今年の6月に南半球のオーストラリアでインフルエンザの感染流行が起こり、ちょうど夏・冬が逆転する12月ごろに北半球での感染が予想されることにあります。新型コロナ感染症が出現後、過去2年間に国内でのインフルエンザ流行もなかったために、社会全体でのインフルエンザ抗体の保有率も低下しているという報告もあり、ワクチンによる感染予防が国からも推奨されています。ワクチン接種後は、およそ2週間でウイルスを中和する抗体ができますが、抗体ができるまでは発症予防効果はないため、インフルエンザが流行する前に接種することが大切です。
インフルエンザ、新型コロナ感染症ともに発熱、咳、関節痛などの症状がみられ、症状から両者を区別することは難しく、症状の程度や基礎疾患のある人・高齢者といった重症化リスクがある場合は、かかりつけ医や発熱外来を受診し、その診断に応じて治療薬の処方を受ける対応が必要となります。
当院もかかりつけ患者さまの発熱対応には万全を尽くしておりますが、できる予防として早めのワクチン接種にご協力お願い致します。