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胸やけと胃もたれの症状

2022年12月18日

皆さま、こんにちは
今年の冬も一段と寒さが厳しい時期になってきましたが、体調おかわりなくお過ごしでしょうか。
今回は、胸やけと胃もたれの話題です。これらの症状でのご相談は病院勤務の時代から多かったのですが、クリニックでの外来では益々増えております。原因としては、逆流性食道炎,消化性潰瘍,癌などの器質的な異常をまず否定しなくてはいけないので、胃カメラ検査での確認が最初に必要になります。しかしながら検診や他院の胃カメラ検査で、すでに異常なしと診断されたものの、やっぱり症状がすぐれないとのことで当院を受診される方も多くおられます。
消化管に内視鏡でみてわかる異常がないにもかかわらず、これらの消化器症状が慢性的に存在する場合を、機能性消化管障害と呼び、症状や機能障害の部位に応じて、機能性ディスペプシア、機能性胸やけ、過敏性腸症候群などと診断されます。これらは食事内容、飲酒習慣、睡眠状態、ストレス状況などの様々な因子が誘因となって腸内細菌叢の異常、粘膜の免疫機構、内臓の知覚過敏、中枢神経系の調節異常など複雑なメカニズムを介して発生するため、複数の病型が合併することも多いです。時代の流れに伴いピロリ菌の感染者が減る一方で、生活習慣の多様化やストレス社会の中で、確実に増えている疾患であります。
症状の改善やコントロールがすんなりとはいかず、時間がかかる場合もあり、奥が深い領域であると実感しておりますが、患者さまの症状をしっかり確認しながら最適な薬剤の組み合わせを見つけていくのが最善と考えております。時間がかかる作業ではありますが、あきらめずに一緒に頑張りましょう。

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